野良ニャン物語 | 2008.02.22 Friday |
拝啓 子猫様
お元気ですか?元気だといいな。いや、きっと元気にしてるよね。
半年ほど前、一匹の野良ニャンに出会いました。これはその時のお話。ちょっと切ないので苦手な方はスルーして下さいね。自分のとった行動に自信がなくて、お蔵入りしてましたが、「猫の日」にちなんでアップしてみました。
そこは初めて通る道。とある喫茶店前のゴミ袋の陰に子猫を発見。
ケイタイで写真撮ろうと思ってしゃがんだら「ピクン!」ってこっちを見た。
逃げるのかと思ったら、子猫は一目散に駆け寄ってくるではないか!
「え?何?」と狼狽えてる間に子猫はしゃがんだ私のスカートの中に潜り込む。
しばらくすると、中から出てきて今度は躊躇いもなく膝の上に乗ってきた!「いやん・・・どうしよ」と嬉しさ半分、驚き半分の私を電気工事のお兄さん達が「あはは。人なつっこい猫やなあ〜」と笑顔で通り過ぎていった。
撮影していたらケイタイのストラップが楽しいらしく、じゃれてくるので写真がなかなか撮れない
「こっちはどう?」と傘に付いていたストラップを差し出してみる。
気に入った様子で、元気いっぱいじゃれる子猫。
「あ!時間!ごめんね、行かなきゃ」打ち合わせの時間が迫っていたので、そっと膝から降ろしてニャンコとはお別れをした。ちょっと寂しそうなニャンコの視線が心苦しかったけど「帰りまた会えるかな」なんて思ってた。
打ち合わせが済んで、子猫の元へ少し小走りで戻った。
子猫は同じ場所できちんとお座りをしていた。なんかまるで待ってたみたいで切なかった。そして、待ちきれない様にさっきと同じように膝に飛び乗ってきた。
「待っててくれたん?」
膝から降ろしてストラップで遊んであげようとするんだけど、どうしても乗りたいらしく、降ろしても降ろしても乗ってくる子猫。仕方ないので膝の上に乗せたままストラップで遊んだ。
時間が経つに連れだんだん切なさがこみ上げてきた・・・。
多分いつもこの喫茶店でご飯をもらっているのか、ここのゴミをあさっているのか・・・でも今日はお休みの様子。
「お腹空いてるの?食べるもの何も持ってないねん、ごめんね」
再び膝からそっと降ろして子猫にお別れをして、駅に向かった。
・・・はずだったけど、私はいつしかコンビニを探していた。近くにはなくて、10分程駅に向かった所にコンビニを見つけた私は店内で猫缶を手にしていた。そして、掴んだままじっと考えてしまった・・・
「あげる気なん?」←自問自答
「明日からももらえるって思ったらどうするの?」←自問自答
「それって・・・なんかあかんのちゃう?」←自責
「それって自己満足でしかないんちゃうん?」←更に自責
その一方で
「今日お腹いっぱい食べたら、少なくとも今日は幸せな一日が送れるんだよ?」
「買って戻るのがめんどくさいんじゃないのー?」
「情が移るのが嫌で逃げてるんじゃないのー?」
ああああーどうしたらいいのー!?
呆然と猫缶を見つめてるわたしはちょっと変な人だったと思う。
しばらく悩んだけど、転がる様に駆け寄ってきた小さな姿を思い出したら買わずにいれなくて、レジに向かった。
「スプーン一個つけてください」
「はい?」レジの兄ちゃんは私が猫缶をスプーンで食べるとでも思ったのか変な顔をしながらも一本添えてくれた。
ダッシュで元来た道を戻ると、子猫は香箱座りをしてさっきの場所でこちらを見ていた。まるで待ってたみたいに。
「お腹すいてるんやろ?遠慮せんと食べてね」
子猫はわしわし食べてくれた。
「ゴミを置いて行くわけにいかへんから、食べられるだけ食べてね」
だけど、猫缶はとっても大きくて半分くらい食べたところで「ふぃ〜喰った喰った」とばかりにまた膝に乗ってきてしまった。
ふと視線に気づいて細合いを覗くと別のニャンコが遠巻きにこっちを見ていた。
「ご飯食べる?こっちおいでー」
猫缶を振って見せたけど警戒して寄ってこない。
ここでも「あかんやろな・・・こんな事したら」と思いながら、葉っぱで即席皿を作ってそこに残りの猫缶を入れ、雨が掛からないところにそれを置いた。
後ろ髪を引かれながらも仕事の時間があるので、子猫とお別れをした。
「あげてよかったんかな・・・」野良ニャンの処し方が今ひとつ分かってないわたしは、もしかしたらとてもいけない事をしたのかもしれない・・・と悩んだ。
更に・・・「連れて帰ってあげなきゃいけなかったんじゃない?」という思いまで生まれて来た。「だって家にはすももがいるし・・・すももは他のニャンコが居たら自傷行為するから・・・それに今からまだ仕事あるし・・・もしかしたら地域猫で勝手に連れて行ったらあかんかもしれんし」
なんか言い訳ばっかりしている自分がすごく嫌でした・・・。
帰り道、角を曲がる度に割とぷっくりしたニャンコがのっそり歩いてる姿を目にした。そういえば、打ち合わせ中も、庭に面した会議室のすぐ外を呑気にニャンコが歩いてたので唖然と見ていたら「この辺猫が多いんですよ〜」って言ってたっけ。この辺りは飲食店も多いし、地域猫が多いのかな・・・と思うことで無理矢理自分を落ち着かせた。
すっかり凹んで帰ると、すももは何も言わずに膝の上に乗ってきてグルグル喉を鳴らした。子猫と違ってずっしりと・・・。
いやーん!切なくてごめんなさいー!
あ、忘れるとこやった・・・
敬具
お元気ですか?元気だといいな。いや、きっと元気にしてるよね。
半年ほど前、一匹の野良ニャンに出会いました。これはその時のお話。ちょっと切ないので苦手な方はスルーして下さいね。自分のとった行動に自信がなくて、お蔵入りしてましたが、「猫の日」にちなんでアップしてみました。
そこは初めて通る道。とある喫茶店前のゴミ袋の陰に子猫を発見。
ケイタイで写真撮ろうと思ってしゃがんだら「ピクン!」ってこっちを見た。
逃げるのかと思ったら、子猫は一目散に駆け寄ってくるではないか!
「え?何?」と狼狽えてる間に子猫はしゃがんだ私のスカートの中に潜り込む。
しばらくすると、中から出てきて今度は躊躇いもなく膝の上に乗ってきた!「いやん・・・どうしよ」と嬉しさ半分、驚き半分の私を電気工事のお兄さん達が「あはは。人なつっこい猫やなあ〜」と笑顔で通り過ぎていった。
撮影していたらケイタイのストラップが楽しいらしく、じゃれてくるので写真がなかなか撮れない
「こっちはどう?」と傘に付いていたストラップを差し出してみる。
気に入った様子で、元気いっぱいじゃれる子猫。
「あ!時間!ごめんね、行かなきゃ」打ち合わせの時間が迫っていたので、そっと膝から降ろしてニャンコとはお別れをした。ちょっと寂しそうなニャンコの視線が心苦しかったけど「帰りまた会えるかな」なんて思ってた。
打ち合わせが済んで、子猫の元へ少し小走りで戻った。
子猫は同じ場所できちんとお座りをしていた。なんかまるで待ってたみたいで切なかった。そして、待ちきれない様にさっきと同じように膝に飛び乗ってきた。
「待っててくれたん?」
膝から降ろしてストラップで遊んであげようとするんだけど、どうしても乗りたいらしく、降ろしても降ろしても乗ってくる子猫。仕方ないので膝の上に乗せたままストラップで遊んだ。
時間が経つに連れだんだん切なさがこみ上げてきた・・・。
多分いつもこの喫茶店でご飯をもらっているのか、ここのゴミをあさっているのか・・・でも今日はお休みの様子。
「お腹空いてるの?食べるもの何も持ってないねん、ごめんね」
再び膝からそっと降ろして子猫にお別れをして、駅に向かった。
・・・はずだったけど、私はいつしかコンビニを探していた。近くにはなくて、10分程駅に向かった所にコンビニを見つけた私は店内で猫缶を手にしていた。そして、掴んだままじっと考えてしまった・・・
「あげる気なん?」←自問自答
「明日からももらえるって思ったらどうするの?」←自問自答
「それって・・・なんかあかんのちゃう?」←自責
「それって自己満足でしかないんちゃうん?」←更に自責
その一方で
「今日お腹いっぱい食べたら、少なくとも今日は幸せな一日が送れるんだよ?」
「買って戻るのがめんどくさいんじゃないのー?」
「情が移るのが嫌で逃げてるんじゃないのー?」
ああああーどうしたらいいのー!?
呆然と猫缶を見つめてるわたしはちょっと変な人だったと思う。
しばらく悩んだけど、転がる様に駆け寄ってきた小さな姿を思い出したら買わずにいれなくて、レジに向かった。
「スプーン一個つけてください」
「はい?」レジの兄ちゃんは私が猫缶をスプーンで食べるとでも思ったのか変な顔をしながらも一本添えてくれた。
ダッシュで元来た道を戻ると、子猫は香箱座りをしてさっきの場所でこちらを見ていた。まるで待ってたみたいに。
「お腹すいてるんやろ?遠慮せんと食べてね」
子猫はわしわし食べてくれた。
「ゴミを置いて行くわけにいかへんから、食べられるだけ食べてね」
だけど、猫缶はとっても大きくて半分くらい食べたところで「ふぃ〜喰った喰った」とばかりにまた膝に乗ってきてしまった。
ふと視線に気づいて細合いを覗くと別のニャンコが遠巻きにこっちを見ていた。
「ご飯食べる?こっちおいでー」
猫缶を振って見せたけど警戒して寄ってこない。
ここでも「あかんやろな・・・こんな事したら」と思いながら、葉っぱで即席皿を作ってそこに残りの猫缶を入れ、雨が掛からないところにそれを置いた。
後ろ髪を引かれながらも仕事の時間があるので、子猫とお別れをした。
「あげてよかったんかな・・・」野良ニャンの処し方が今ひとつ分かってないわたしは、もしかしたらとてもいけない事をしたのかもしれない・・・と悩んだ。
更に・・・「連れて帰ってあげなきゃいけなかったんじゃない?」という思いまで生まれて来た。「だって家にはすももがいるし・・・すももは他のニャンコが居たら自傷行為するから・・・それに今からまだ仕事あるし・・・もしかしたら地域猫で勝手に連れて行ったらあかんかもしれんし」
なんか言い訳ばっかりしている自分がすごく嫌でした・・・。
帰り道、角を曲がる度に割とぷっくりしたニャンコがのっそり歩いてる姿を目にした。そういえば、打ち合わせ中も、庭に面した会議室のすぐ外を呑気にニャンコが歩いてたので唖然と見ていたら「この辺猫が多いんですよ〜」って言ってたっけ。この辺りは飲食店も多いし、地域猫が多いのかな・・・と思うことで無理矢理自分を落ち着かせた。
すっかり凹んで帰ると、すももは何も言わずに膝の上に乗ってきてグルグル喉を鳴らした。子猫と違ってずっしりと・・・。
いやーん!切なくてごめんなさいー!
あ、忘れるとこやった・・・
敬具